当院は日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会により公式に認証された「認証施設」です。
- 私たちの施設は、上記の運営委員会が策定した「NIPT 等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」の要件を満たしています。
- 当施設は、自施設でNIPTを実施し,検査の結果に応じて基幹施設(浜松医科大学付属病院)と連携し対応する「連携施設」として認証されています。
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、妊婦さんの血液から胎児の染色体の一部を調べ、特定の染色体異常の可能性(リスク)を確認する検査です。
母体への負担が少ない「非侵襲的」な方法で、以下の3つの染色体異常を対象としています。
- 21トリソミー(ダウン症候群)
- 18トリソミー
- 13トリソミー
この検査で分かるのは「異常の可能性」であり、確定診断ではありません。
陽性の場合は、羊水検査などの確定的検査を行う必要があります。
当院は浜松医科大学附属病院と連携し、確定検査やその後の支援を行っています。
●対象となる方
- 妊娠10週以降14週6日の妊婦さん
- 35歳以上で妊娠された方
- 過去に染色体異常のお子さんの妊娠・出産歴がある方
- 検査について希望や不安をお持ちの方
●検査の流れ(2回から3回のご来院が必要です)
① 初回(当院外来受診・ご相談・カウンセリング・採血)
- 医師から検査の内容や意義をご説明します。
- 認定遺伝カウンセラーによるカウンセリングを行います。
- ご理解・ご納得いただいた上で、ご希望の方のみ採血を行います。
② 結果説明(約2~3週間後)
- 医師から検査結果を直接ご説明します。
- 必要に応じて、浜松医科大学附属病院での確定検査をご紹介します。
●費用(自費診療)
| 内容 | 金額(税込) | 
|---|---|
| 検査一式(カウンセリング・採血・検査・結果説明 含む) | 200,000円 | 
| カウンセリングのみ(検査を受けない場合) | 約9,000円 | 
※検査後の返金はできません。十分にご検討ください。
●サポート体制
当院では、検査前後のカウンセリングを重視しています。
カウンセリングを行わずに検査だけを実施することはいたしません。
- 検査を受ける・受けない、どちらの選択でも、妊婦さんとご家族の思いを尊重します。
- 検査に不安を感じる方には、医師・遺伝カウンセラーがチームで支援します。
- 超音波検査で胎児に所見が見つかった場合も、浜松医科大学と連携してサポートします。
多職種による支援体制
- 日本産科婦人科遺伝診療学会認定 産婦人科医:山口俊一
- 出生前コンサルト小児科医:宮原純
当院の基本方針
- 遺伝カウンセリングなしの検査は行いません。
 検査の意義や限界を理解し、納得のうえで受けていただくためです。
- 検査対象は21・18・13トリソミーに限定しています。
 医学的妥当性と社会的意義を考慮した、日本医学会の認証制度に基づきます。
- 当院では、障がいを持つ方々に対する差別を助長する意図は一切なく、すべての命の尊厳を大切にし、包摂的な社会の実現を目指します。
日本医学会出生前検査認証制度について
当院は、日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会により認証された連携施設です。
この委員会は行政(厚生労働省など)と連携し、妊婦さんとご家族が安心して出生前検査を受けられる体制を整えています。
- 公式サイト
 (検査内容・体験談・染色体疾患のお子さんと家族の生活などの情報があります)
- 認証施設一覧
- 認証制度の解説(厚生労働省サイト)
ご予約・お問い合わせ
ご予約は診察時に医師へご相談ください。NIPTは完全予約制です。
- 電話番号:053-411-0800
- 受付時間:平日 8:30~17:30
NIPT をお考えの皆様にまず知っておいていただきたいこと
●日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会(以下、運営委員会)」は、出生前検査を受ける妊婦さんとパートナーへのサポート体制、遺伝カウンセリングや検査の質や正確さをより確かなものにするための組織です。2021年、国の専門委員会「NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会」の報告書に基づき、日本医学会の下に設けられました。こども家庭庁と連携して活動しています。
運営委員会のウェブサイト:「一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査」
妊婦さんやご家族のためのサイトです。出生前検査の種類や受けた方、受けなかった方の生の声、相談先、生まれながらに病気のあるお子さんとの暮らしや福祉についての情報を提供しています。
●この運営委員会では、妊婦さんおよびご家族の皆様にとって、安心と信頼に足る NIPTの提供ができる医療機関および検査分析機関の施設認証を行っています。当院は、認証を受けている医療機関の1つです。
【私たちが提供するサービス】
1.検査を受けるべきか迷っているあなたへ
- 私たちは、検査を一方的に勧めるあるいは抑制するのではなく、検査の利点と限界を全てお伝えし、それぞれの方が納得して選択できるようお手伝いします。
- 不安な気持ちにも寄り添います。
- 遺伝カウンセリング後に検査を受けない選択も尊重します。
2.検査に不安を感じているあなたへ
- 検査の前後で、専門家がわかりやすく丁寧にしっかり時間をかけて遺伝カウンセリングを行い、納得して自分たちの結論を導くことを支援しています。
- 検査やその結果、それに伴う選択について、どのような場合でも基幹施設である【浜松医科大学附属病院】と連携して最後まで対応します。
- 当施設で対応する主な専門家は、学会が正式に認定する遺伝カウンセラー、出生前検査に関する研修を修了している産婦人科医:山口俊一(日本産科婦人科遺伝診療学会による認定)となります。多職種で多角的に妊婦およびご家族を支援します。
- 結果の内容によっては、基幹施設で上記の多職種の専門家の支援が受けられるようしっかりした協力体制をもっています。
- 出生前コンサルト小児科医:宮原純(日本小児科学会認定)が、生まれてからのケア(医療や福祉のことも含め)について詳しくお話しします。
3.羊水検査等の提供
確定的検査が必要となる場合や確定的検査を希望される場合には、当施設が連携している基幹施設【浜松医科大学附属病院】で可及的速やかに羊水検査等を提供できる体制を構築しています。
4.包括的な産科・周産期診療の一連の流れとしての出生前検査の提供
当施設が連携している基幹施設【浜松医科大学付属病院】で下記のような医療、支援を提供できる体制を構築しています。
- NIPTだけでなく、妊娠継続時は妊娠中の様々な不安や懸念にも、出産まで対応します。
- NIPT検査前または検査後に超音波検査で何か異常が見つかった場合の対応も含め、多職種でのサポートを提供します。
- 私たちは、13 トリソミー、18 トリソミー、21 トリソミー(ダウン症候群)を含む、障がいを持つ方々に対する差別を防止し、すべての人が共存できる包括的な社会の実現というノーマライゼーションの理念に基づく医療の提供を目指しています。
【私たちが行っていないこと】
遺伝カウンセリングなしの検査は実施しません。出生前検査は、検査そのものや、検査によって得られる結果を正しく理解し、その後の計画を考えていくなかで、さまざまな心配や迷いが生じやすい検査です。そのため、妊婦さんとパートナーのために、出生前検査の専門家による充実したサポート体制のもと実施することが大切であると認識しています。遺伝カウンセリングは妊婦さんとパートナーが正しい情報のもとにそれぞれのお考えで判断できるようお手伝いするもので、決して検査を止めようとするものでも勧めるものでもありませんので安心してお受けください。
