当院の無痛分娩
当院では、硬膜外麻酔を用いた無痛分娩を行っています。
安全を第一優先とするため原則計画分娩にて行います。予定外の陣痛発来時は、平日昼間など安全な管理が可能な状況下であれば対応しますが、夜間休日は対応できません。
分娩時にいきむことができるよう完全な痛みの消失を目指すのではなく、痛みを制御し安全に分娩することを目指します。同じように麻酔を行っても鎮痛の効果には個人差があり、十分に痛みを除ききれない場合があります。
無痛分娩のメリットは多いですがリスクもある処置となります。
妊娠16週以降から無痛分娩の予約が可能となります。無痛分娩をご希望の場合は、早めにご相談ください。
詳細は、診察時に医師とご相談ください。
無痛分娩のメリット
- 陣痛の痛みが軽くなります。陣痛の痛みを軽減することによって、落ち着いて分娩に臨めるため、さまざまな副次的なメリットも生まれます。
- 上半身には麻酔がかかっていませんので、生まれた赤ちゃんを見届けて、すぐに抱っこをすることができます。
- 外陰部や腟を縫合する時の痛みを軽減します。
- 特にお産の傷が大きいときにメリットがあります。自然分娩では局所麻酔薬を用いて縫合しますが、傷が大きくなると効果が不十分になることがあります。
- 分娩後の回復が早い傾向にあります。
無痛分娩のリスク
※こちらの同意書をご参照ください
硬膜外麻酔について
無痛分娩の標準的な方法です。背中から細いチューブ(硬膜外カテーテル)を挿入し、鎮痛薬を注入します。痛みに応じて、出産が終わるまで薬の量を調節します。
●無痛分娩を開始するタイミングなど
陣痛の『痛みを和らげて欲しい』と感じたときに、分娩の進み具合をみて無痛分娩を始めるかどうか判断します。
無痛分娩を開始した後は、血圧などを定期的に観察します。また、赤ちゃんの心拍モニターも継続して行います。
当院では安全に無痛分娩を行うため、頻回に麻酔レベルの確認を行っています。合併症発生時にも適切に対応できるように、講習受講、スタッフトレーニング、各種薬剤や呼吸補助などの態勢を整えています。
(1)インフォームドコンセント
合併症に関する説明を含む無痛分娩に関する説明書を整備しています。
同意された後であっても、いつでもやめることができます。
(2)無痛分娩に関する人員体制
当院は、無痛分娩麻酔管理者(山口俊一)を配置しています。無痛分娩管理者は、当院における無痛分娩の麻酔に関する責任者です。無痛分娩麻酔管理者は当院の常勤医師であり、産婦人科専門医を有し、必要な講習会および救急蘇生コースを受講しています。
(3)無痛分娩に関する安全管理対策
当院は、無痛分娩に関する以下の安全管理対策を行っています。
①無痛分娩マニュアルを作成し、担当職員への周知徹底を図っています。
②無痛分娩看護マニュアルを作成し、担当職員への周知徹底を図っています。
③ 当院に勤務する職員が参加する危機対応シミュレーションを少なくとも年1回程度実施しています。
*急変時は自施設で一次対応後、他施設と連携し治療を行います。
(4)無痛分娩に関する設備及び医療機器の配置
蘇生設備及び医療機器を配備し、すぐに使用できる状態で管理しています。
救急用の医薬品を配備し、すぐに使用できる状態で管理しています。
母体用の生体モニターを配備し、すぐに使用できる状態で管理しています。
(5)当院の無痛分娩料金
通常の分娩費用に加え無痛分娩の費用として10万円が加算されます。
計画外の場合はさらに2万円が加算(計12万円)されます。
当院の無痛分娩実績
2023年 無痛分娩件数: 66件
2024年1月~6月 無痛分娩件数: 45件
【2015年(移転改築後)~2023年 9年間】 総分娩数:4,198件 ・帝王切開数:448件(帝王切開率11%)