・RS ウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)
RS ウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)は、妊婦に接種することにより母体の体内で RS ウイルスに対する抗体(RS ウイルス感染を阻止する抗体)を産生し、その抗体が胎盤を通じて母体から胎児へ移行する(移行抗体といいます)ことで、出生後の乳児をウイルスから守り、乳児における RS ウイルス感染症を原因とする下気道疾患を予防します。
用法および用量は、妊娠 24~36 週の妊婦に 1 回 0.5mL を筋肉内に接種するとなっています 。2024 年 5 月末から一般診療でも施行可能となり当院でも接種可能です。詳細は診察時にスタッフにご相談ください。

・RS ウイルス感染症について
RS ウイルスは世界中に広く分布しており、生後 2 歳までにほぼ 100%が RS ウイルスに感染します。乳幼児における肺炎の約 50%、細気管支炎の 50~90%が RS ウイルス感染症によるとされています。生後 6 か月未満で感染すると重症化することが示されています。日本では、毎年約 12 万~14 万人の 2 歳未満の乳幼児が RS ウイルス感染症と診断され、約 4 分の 1(約 3万人)が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません。